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ダイブ・バー No.29 - Hacchi-

2020/09/17 (Thu) 12:47:46

 @;:-^¥*+ マヤって名乗ってたのだけど、でもね優平君、こっちで、マユミだと、発音しずらいし、覚えずらいから、マヤって名乗った可能性もない⁉」 と、田口は顎を少し上げ、片眉を上げ、優平を見やる。
「確かに、それはありうるけど」

 そこで、田口は片手をあげ優平を制し、「でね、リサちゃんに、お母さんLAに留学したことない? って、前会ったときに聞いたら、あるって言うの。 でね、いつ頃って聞いたら、20代後半に総務省のキャリア留学でUSC(南カリフォルニア大学)に行ってたって、お母さんから聞いたことあるって言うのよー」

 そこで、田口は指を鳴らし、「ビンゴー!」 と叫び、 
「そのチャイナタウンのバーで、マヤ、USCの学生だと言ってたのよー。 しかも、20年ぐらい前の出来事だし、なんといっても、リサちゃんはさー、さっきも言ったけど、全体的にはヤス似だけど、細く筋の通った鼻や大きめの口、細く尖った顎は、マヤと同じよー」

 優平は口を開け目を丸くして田口を見やると、「確かに、リサの鼻から首までの辺りは、おばさんにそっくりです。 でも、あの切れ長の目は、おばさんにもおじさんにも似てなくて、それで、いつかリサのおばあちゃんが、リサの目は、あたしのお父さんの目にそっくりよ。 と、隔世遺伝とかなんとかと、いってましたね~」

 田口は。満足そうに、うんうんと首を縦に振ると、「リサちゃんの目は、ヤスと同じ、しかも長いまつげをバサバサいわせるところまでいっしょ」 と、田口は大袈裟に瞬きを繰り返す。


 マヤって⁉ ママとあたしが、ブリュッセルに居たときに、あちらの人がママをマヤって呼んでたわよね~ それで、あたしがママに、どうしてママのことをマヤって呼ぶの? って、ママに質問したら、ママが、こっちの人は、まゆみと発音しづらいから、マヤって呼んでとお願いしたの。 とかなんとか、ママが答えたこと覚えてるわー。 ということは、当然ママがUSCに留学していたときにも、ママはマヤって呼ばれていた可能性大で・・・ ひえ~ じゃあ~ 了さんが、言ってるマヤって九分九厘ママのことじゃん!? ・・・ ゲロゲロ~ ってことは、あたしの本当のパパは、ヤスさんって人⁉

 リサは、ポーチの陰で佇み、優平と田口の会話を吟味していた。
吟味しながらママであろうマヤの学生時代を垣間見るようで、それは多少驚いているが、ショックを受けるというより、寧ろ、なにかノスタルジックな気分で、甘酸っぱいママの青春時代の映像が浮かび、微笑ましい気分でいた。 

 待ってよ⁉ もし、あたしが、そのヤスとママとの子だとして、そのことパパは知ってたのよね⁉ んー⁉ 知らない⁉ 知らないわけないわよね~  いずれにせよ、パパはかわいそうよね~ でも、知っていながらママと一緒になったわけよね~ むむっ、パパかっこいいじゃん! だって、他の男との子を身籠る女と結婚するなんて、ソープドラマかなにかみたいじゃん⁉     

 パパ、ママのこと愛してるもんね~ ぞっこんって感じだものね~ ・・・ へっ⁉ じゃ他人のあたしをあんなにかわいがってるの? パパはー 

 リサは、ケニアで単身赴任している父の壮一郎を心底愛おしいと思った。 リサは青い空を見上げ、パパ愛してると、少し目を潤ませる。


 おっとっと、そろそろ、お二人の前に登場せねばねー あたしらしく・・・ 明るく、威風堂々と。 と、リサは持ち前のすばやい切り替えとポジティヴ・シンキングと言い聞かせ、優平と田口のいるポーチに向かいながら、笑みを浮かべながら、「ハロ~ お二人さん、ずいぶんとご機嫌なようね~」

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